Meanwhile in Africa...

アフリカで今起こっていることを日本の皆様に正しくお伝えするため、海外大手ニュースサイトの記事を日本語で要約して発信します。

アフリカ大陸から宇宙を目指して -エチオピアの宇宙探索計画-

私情により、随分と更新に間が空いてしまいました。

 

言い訳がてらご報告させて頂きますと、

私、前回更新の後に晴れて就職が決まり、NGO職員となりました。

現在は日本の地方部で暮らしております。

今はスリランカのプロジェクトの本部担当ですが、

いつかアフリカ駐在のチャンスがあればと夢見つつ、

早く組織に貢献できるように邁進していく所存です。

 

さて、本日は私も2度渡航したことのある、思い入れのある国、エチオピアの記事です。

エチオピアは未だに世界最貧国の一つに数えられていますが、

近年は高い経済成長率を維持しており、

政府もそれをふまえた野心的な成長戦略を公表しています。

 

そんな急成長を物語るかのように、このほど、

長い将来を見据えた宇宙探索計画を発表しました。

 

(ソース:http://allafrica.com/stories/201310210281.html?viewall=1, accessed on 23 Oct 2013)

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 エチオピアは先頃、宇宙探索計画第一期の計画を明らかにした。

この計画のもと、天文学の研究をすすめるため、エチオピアに東アフリカ最大の天文台が開業する。

天文台には幅1メートルもある望遠鏡が2台設置され、

太陽系外惑星や、種々の恒星、天の川、銀河などを見ることができるという。

 

 340万米ドル(約3億4000万円)をかけて整備されたこの天文台は、

エチオピア系サウジアラビア人の有力実業家の資金拠出により整備された。

天文台は首都アディスアベバの郊外、

標高3200メートルの緑深いエントト山の上に位置する。

ここは雲がかかることもほとんどなく、風もおだやかで湿度も低い、

天文台には理想的な場所だと、専門家は話す。

 

この天文台を運営するエチオピア宇宙科学会(ESSS)は、

2004年に設立された当初、「気ちがいの集まり」と揶揄された。

しかし、設立から現在に至るまでの10年の間に、

大学で天文学の講座を開講したことや、政治的な後押しを獲得したことで、

人びとの信用を得られたのだそうだ。

エチオピア政府は今後数年以内に宇宙政策を発表する方針だ。

 

過去には慢性的な飢饉や政治動乱に悩まされ、今もアフリカの最貧国のひとつであるエチオピアが、

宇宙探索に資源を投入することについては、国内外から疑問を呈されたという。

これについて、天文台の所長はこう語る。

「科学を振興することはエチオピア発展の鍵です。

エチオピアは農業に大きく依存しながらも、アフリカ随一の経済成長率を実現しています。

もしこの国の経済が科学と密接に結び付けられれば、

効率の悪い農作業を工業化し、現代的な農業形態に転換できます。」

 

エチオピア宇宙科学会(ESSS)は、2か所目の天文台設置にも期待を寄せている。

なんでも、所長は「天文ツーリズム」を活発化させたいと考えているようだ。

宇宙計画など絶対にありそうにない国であるエチオピアに宇宙ファンを呼び込み、経済的利益を獲得する、というものである。

また、エチオピアは今後3年以内に、同国初の人工衛星を発射する予定である。

 

所長によると、今後数年間の宇宙探索計画の中味は

研究とデータ収集の促進、

および天文学への国内・アフリカ地域内の関心喚起となるようだが、

いつの日かエチオピア人を宇宙に送り出す可能性についても、

「そんな日が来ればいいですね」と笑顔で話し、否定しなかった。

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現在も開発援助金が諸外国から多く流れ込むエチオピアにおいて

宇宙開発計画がすすんでいることについては、

文中にもあったように議論の余地があることと思います。

 

開発援助に関わってきた人間として一点指摘しておくとすれば、

援助の名の下で、無償で何かをもらうことや何かをしてもらうことに人々が慣れてしまうという現象は、エチオピアに限らず低開発国にはよく見られます。

それは援助する側にとっても厄介ですが、

援助される側においても、人々の自立心や向上心をそいでしまいかねません。

 

この宇宙開発プログラムがうまく進んでいけば、

もしかしたら、そのように援助慣れしてしまった人々に、

自分で目標を持って努力するとか、自力で何か成し遂げるということの大切さを再認識させてあげることができるかもしれません。

 

そんな願いも込めて、この記事を紹介しました。

 

まだしばらくは更新に間が空くかと思いますが、

一人でも多くの方に読んで頂くことが続けていく励みになります。

引続き、どうぞよろしくお願いいたします。